シシングハースト・キャッスル・ガーデン – Sissinghurst Castle Garden
ガーデナーにとっての憧れの聖地
世界で最も名高いガーデンの1つ、シシングハースト・キャッスル・ガーデンはイングランドの南部ケント州に位置しています。
この辺りはロンドン近郊とは思えないほど緑にあふれており、車を走らせていると、八ヶ岳や軽井沢、はたまた北海道を走っているような雄大な景色に出会うことができます。
春から夏にかけては、菜の花や真っ赤なポピーが一面に咲き乱れ、まるで色鮮やかなカーペットを敷き詰めたかのような景色となるのです。
さすが「イングランドの庭」と呼ばれるだけのことはあります。
さて、そのケント州に位置するシシングハーストは、文学者ヴィタ・サックヴィル・ウェストと、その夫である外交官のハロルド・ニコルソンによって1930年代に造られました。
廃虚同然の城を買い取ってから約30年間、夫がイチイの生け垣などの直線的な構造を担当し、妻がそれらの線に仕切られたコテージ・ガーデンに溢れるほどの花を植えたそうです。
見どころは、その名を世界に知らしめた「ホワイト・ガーデン」。
緑の生け垣に囲まれた、白い花と銀葉植物だけのホワイト・ガーデンの中央にはランブラー・ローズがたわわに咲き誇り、その清楚さにはため息が出ます。
この作品はそのホワイト・ガーデンの中に立つ「キャッスル」と呼ばれる塔を描いたものです。
さらにこの塔の中にはヴィタの書斎が今もそのまま残っていて興味を引きます。
映画にもなった文豪ヴァージニア・ウルフの「ダロウェイ夫人」は、ヴィタとヴァージニアの恋愛をモデルとしたものでした。
また、この塔の屋上からはガーデン全体を眺めることもでき、天候が良ければ、ケント州の大パノラマを望むことができます。
ホワイト・ガーデンの反対側に位置するローズ・ガーデンも素晴らしく、6月頃からは様々なオールド・ローズが咲き乱れることになるのです。
英国ニュースダイジェストより
内容は「英国ニュースダイジェスト連載当時のもので、現在とは異なる場合もあります」