エーヴベリー – Avebury
世界遺産でピクニック
古代イングランドの象徴、そして世界遺産として有名な「ストーンヘンジ」から北に約30キロ行くと、環状列石遺跡エーヴベリーがあります。
1つ1つの石の大きさはストーンヘンジより小さいものの、遺跡全体の規模としてはイングランドで最も大きく、前期青銅期時代(紀元前2500年ごろ)の遺跡としてはヨーロッパ最大だそうです。
そしてもちろん、このエーヴベリーも世界遺産となっています。
駐車場から続く歩道をしばらく歩くと、巨石がぽつぽつと出現してきます。
全て近郊の都市マールバラから運ばれた砂岩で、ストーンヘンジに使われている石材と同じもの。
自然のままの姿が保たれているので、どの石もとても豊かな表情をしています。
ストーンヘンジは今ではその周りをロープに囲まれてしまっていますが、エーヴベリーでは遺跡に直接触れることが出来ます。
遺跡に寄りかかり瞑想にふける人、ピクニック・シートを広げてランチを楽しむ家族、そしてその間を行き交う羊たち。
巨大遺跡が現代の暮らしの中にそのまま溶け込んでいるかのような風景に強く心を惹かれ、この作品を描きました。
そんな光景に導かれるように進んでいくと、この青銅期時代の遺跡を紹介した博物館が見えてきます。
古い納屋を改造したこの博物館では子供から大人まで、様々な年代の人たちが環状列石遺跡を意味する「ヘンジ」について学ぶことができるようになっています。
また遺跡の散策に疲れたら、博物館近くにあるレストランでの軽い食事もお勧め。
ローカル・パブのような気取らない造りが、カントリーサイドそのままの雰囲気を醸し出しています。
このエーヴベリーでは忙しい日常から離れ、悠久の時を刻む巨大なサークルと一体になることが可能です。
初夏の広大な草原の中で、心地良い風に吹かれながら古代の人々への想いを馳せてはいかがでしょうか。
英国ニュースダイジェストより
内容は「英国ニュースダイジェスト連載当時のもので、現在とは異なる場合もあります」