スピーク・ホール – Speke Hall
ウィリアム・モリスとビートルズ
この記事で取り上げたメンディプス、そしてこちらで紹介したポールのファミリー・ハウスというこの2つのビートルズゆかりの地では、予約も取らずにただ1人でぶらりと出掛けても家の中に入ることはできません。
午前中はリバプール市内から、そして午後は同市内にあるもう1つの有名なプロパティ、スピーク・ホールから出ているナショナル・トラスト専用バスの利用者のみ見学が許されています。
日本人観光客の多くは、この専用バスに乗るためだけにスピーク・ホールを訪れ、館内や庭を見学せずにそそくさとバスに乗り込んでしまいます。
でもそれは本当にもったいない話です。
何しろこのスピーク・ホールは、イングランドの中では大変貴重なハーフ・ティンバーと呼ばれる木造建築様式のカントリー・ハウスで、今から477年前となる1530年に建造されたという古い歴史を持つもの。
館内にはその後の増改築によって、ウィリアム・モリスの壁紙が至る所に施されています。
ウィリアム・モリスは日本でもとても有名な装飾デザイナーですが、ここ英国では「アーツ & クラフツ運動」の旗頭として、ナショナル・トラスト運動にも強い影響を及ぼした偉人です。
ここではそのモリスのオリジナルのインテリアを堪能することができます。
また春から秋にかけて庭に咲く、バラや紫陽花は見事です。
特に驚いたのは、様々な色をした紫陽花が同時に咲いていたこと。
日本ではちょっとお目にかかれない情景を見て感動したのを覚えています。
館内や庭の見学には、少なくとも1~2時間は必要です。
ビートルズゆかりの地を見学する専用バスと上手に組み合わせて、楽しんでください。
英国ニュースダイジェストより
内容は「英国ニュースダイジェスト連載当時のもので、現在とは異なる場合もあります」