20 Forthlin Rord, Allerton 20 フォースリン・ロード、アールトン

ポール・マッカートニーのファミリー・ハウス

1998年に元ビートルズのポール・マッカートニー自身の希望でナショナル・トラストに寄贈されたこの家は、ポールが12歳からビートルズのメンバーとして独立するまで過ごした家です。

この家を初めて訪れた99年、今では旧友の1人となったジョンこと、ポールによく似た着任間もないプロパティ・マネージャーが、快く迎え入れてくれたことが懐かしく思い出されます。

彼の話によれば、寄贈された時にはポールが住んでいた当時の面影は全くなかったそうです。

しかしナショナル・トラストは、カメラが趣味だったポールの弟マイクが写していた数々の写真を元に、壁紙やソファー、台所の食器の位置、そして今回の絵に描いた裏庭に干してある洗濯物までも、出来る限り忠実に再現させたそうです。

家の中に入ると、ビートルズ初期の数々の名曲が産み出された、意外なほどこじんまりとしたリビングが。

そしてダイニング、台所と、1950~60年代にかけて彼らが過ごした空間が覗けます。

そして2階に上がるとポールや両親たちの寝室。

家の中には、まだ名も無い青年であったジョン・レノンやポールが自宅で音合わせをしている写真など、ここでしか見られない貴重な品々と出会うことができ、自称「ビートルズ・ファン」としては、胸が熱くなるプロパティです。

当時の裏庭は非公開でカーテン越しにしか見ることができなかったのですが、特別に通してもらい描くことができました。

スケッチを始めた途端、小雨がパラパラと降ってきましたが、ジョンがニコニコとしながら、大きなパラソル傘を差してくれたのが忘れられません。

またスケッチの後に彼が「身体が冷えただろう」と、ポールとジョン・レノンがお気に入りだった台所で紅茶を入れてくれました。

私にとってはこれほど贅沢なティー・タイムはなかったかも知れません。

英国ニュースダイジェストより
内容は「英国ニュースダイジェスト連載当時のもので、現在とは異なる場合もあります」

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