パックウッド・ハウス- Packwood House
~十二使徒に出会える庭~
パックウッド・ハウスは、プラム色のレンガが美しい17世紀のマナー・ハウスです。
パックウッドのあるワーウィックシャーはイングランド中央部の大都市バーミンガムに隣接する美しい田園地帯で、そこから南下していくとシェークスピアの生誕地として有名なストラットフォード・アポン・エイボン、さらにコッツウォルズの北側への玄関口へと続いていきます。
英国有数のガーデンというと広大なカントリー・ハウスが所有する大規模なものである場合が多いのですが、ここは家庭的なサイズとなっており、日本人には親しみやすい場所です。
中には生け垣で囲まれた「サンク・ガーデン」と呼ばれる、地面から一段低い位置に作られた庭があります。
淡い色の花々で構成されたこのサンク・ガーデンの横には、レンガの壁に沿うように鮮やかな色彩のローズが咲き乱れています。
その先に一段高くなったテラス・ガーデンがあり、南北に長いフラワー・ボーダーを演出しているのです。
テラス・ガーデンの中央、美しい鉄格子の門をくぐると、それまでのフラワー・ガーデンの世界とはまったく違ったミステリアスな空間が広がります。
目の前には巨大なイチイのトピアリーが左右に立ち並び、その奥、中央正面には小高い塚に刈り込まれたトピアリーがあります。
これは1732年に造園されたもので、中央の塚の頂上にはキリスト。そしてその手前にあるのが、十二使徒と4人の福音書記者を表したものだということです。
トピアリー自体が大きく、一体どうやって刈り込んでいるのかと不思議に思えますが、ガーデナーにとっては、巨大な聖人たちのトピアリーよりも中央の塚の部分を作るのが一番難しいそうです。
なぜ難しいのかは、行ってみてのお楽しみ。
せっかくなので、ここでは秘密にしておきましょう。
英国ニュースダイジェストより
内容は「英国ニュースダイジェスト連載当時のもので、現在とは異なる場合もあります」