チャートウェル – Chartwell

英雄のガーデン

ロンドンから南へ車で1時間程行くと、英国の名首相、サー・ウィンストン・チャーチルの邸宅があります。
チャーチルは1924年から亡くなるまでの約40年間を、ここチャートウェルで過ごしました。
激しい世界動乱の最中、難しい政局の重圧から逃れるために、彼は家族とともにここで過ごす家庭的な時間をこよなく愛していたそうです。

家の中に一歩足を踏み入れると、まるで時間が逆戻りしたかのような錯覚に陥ります。
部屋に置いてある新聞から葉巻まで、まさにチャーチルが住んでいた当時の空間に招かれたかのように、彼の生活がそのまま再現されているのです。
ナショナル・トラストが保存する歴史的建造物のすべてに共通することですが、ここでも歴史の重要な一コマを忠実に再現しています。

さらに、イングランド南東部の壮大な景色を背景にしたガーデンは見ごたえたっぷりです。
邸宅のすぐ北側のテラスには色鮮やかなローズ・ガーデン。
西側のテラスの壁伝いにも素晴らしいローズが絡まり、これからのシーズンはため息の出るような美しさを演出してくれます。

テラスから丘を下っていくと黒鳥の舞う湖が。
湖を左手にしてさらに南側に歩いていくと、赤いレンガに囲まれたキッチン・ガーデンがあり、初夏には可愛らしいスイートピーの花が満開になります。
このキッチン・ガーデンの壁はチャーチルが自ら積み上げた部分もあり、家庭人としての彼の一面が垣間見られます。

また、ここには夢のようなゴールデン・ローズ・ガーデンがあります。
左右は何種類もの黄金色のバラで埋め尽くされ、バラの側にはラベンダー。
西日に光る黄金色のバラたちの競演は圧巻です。

政治力だけではなく、優れた審美眼を持っていたチャーチル。
英国人には大変人気の高いプロパティらしく、いつも多くの人で賑わっています。

英国ニュースダイジェストより
内容は「英国ニュースダイジェスト連載当時のもので、現在とは異なる場合もあります」

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