ベェリングトン・ホール – Berrington Hall

林檎の美味しい季節といえば、日本ならば秋から冬にかけてですが、ここ英国では夏から晩秋が林檎の季節になります。
そして英国のカントリー・ハウスには、必ずと言っていいほど「アップル・ツリー」があり、フラワー・ガーデンとともに大きな位置を占めていることが多いのです。

そもそも英国を代表するガーデンは貴族や大地主の所有地。
その家主の食する素材はすべて敷地内で栽培されるのが普通だったので、キッチン・ガーデンや果樹園があるのは当然です。
たわわに実った真っ赤な林檎はそれだけでも愛らしいので、今でも大きなガーデンがあるところには、まず間違いなくアップル・ツリーがあると言っても過言ではありません。

今回ご紹介するベェリングトン・ホールにも、素晴らしいガーデンの中にアップル・ツリーを中心とした果樹園があります。
でもここの林檎はただ者ではありません。ベェリングトン・ホールの林檎は、ご当地ヘレフォードシャーの「ナショナル・コレクション」、つまり文化財級のオールド・ローズならぬオールド・アップルたちなのです。

林檎たちが小さな小さな実を持ち始める頃、このガーデンには様々な花が咲き乱れ始めます。
2月のスノードロップから始ま って、5月にはフジが見事な花をつけ、美しいツツジやしゃくなげが続きます。

それらが咲き終わる初夏には、バラや紫陽花が主役となります。
そして、花々の競演が終わりを告げると、林檎の実は真っ赤に染まり、イチイや月桂樹の緑と見事なコントラストを醸し出してくれます。

そしてこの時期、ナショナル・トラストのティー・ルームではガーデンの林檎を使ったデザートがお目見えします。
ベェリングトン・ホールでは、この地方で作られる林檎酒「シダー(サイダー)」の飲み比べなどもあり、人々の田園生活の楽しみの一つとなっています。

英国ニュースダイジェストより
内容は「英国ニュースダイジェスト連載当時のもので、現在とは異なる場合もあります」

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